今回、タキシードを着る事になった彼(坂内秀幸さん)は数十年前に重度のくも膜下出血で倒れ、一命は取りとどめたものの四肢麻痺・重度の嚥下障害で長い間、婚約者の織子さんとお母さんが懸命に看病をされていました。

健和会病院のリハビリテーションセンターでは2017年の冬頃より坂内さんのリハ治療に関わるようになりましたが、当初はまだ意識障害が強く、意思疎通もままならない状況でした。

3年間の入院・外来治療期間の中で驚異的な回復をみせ、左手を僅かではありますが動かせるようになり、意思表示をすることが可能となりました。

 

そんなある日の外来リハの際に、お二人から「結婚することになりました」と嬉しい報告を受けました。

そして、2021年4月某日に結婚式を行う事となり、リハ担当をしていたスタッフ(男ばっかり)で結婚式のお手伝いをさせて頂きました!

 

坂内さんは嚥下障害により、喉にはカニューレ(管)、四肢には麻痺があり、ワイシャツなど伸縮性のない服を着るのは大変な状態ですが、式場の衣装担当 小林さんがワイシャツを加工してくれたことで、カニューレを圧迫することなく着ることができました。

 

そして、タキシードのズボンを車椅子座位で履くためには、足部にズボンを通した後に、いつもの立位訓練の要領で前方から膝が折れないように注意をしつつ立位へ。あとはズボンを腰まで上げます。

ジャケットに靴、髪形をセットして準備完了!

 

 

花嫁 織子さんの準備も整い、チャペルでの結婚式へ!

結婚式中には姿勢が崩れてきてしまったり、唾液がお口に溜まってしまうため、その都度、姿勢を直したり、吸引を行ったりして無事に結婚式を執り行うことができました。

 

お二人の素敵な笑顔があふれる結婚式となり、お二人の夫婦生活の門出に関わることができ本当に嬉しく思います。

末永くお幸せに!!

 

 

今回、結婚式の会場となったのは飯田市にある

”ビーラクス松川”

お二人の事を一番に考え、衣装の工夫や結婚式の事はもちろん、それ以外の事まできめ細やかに心遣いをしてくれたスタッフの方にも感動をしました。

 

坂内さんが食べれるように特別にペースト食の料理を作ってくれました。

 

 

左側:衣装の小林さん、右側:プランナーの三瓶さん

(作業療法士 とものり)